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写真を調べる、画像を調べる、イメージ検索の活用法

安藤幸央です。本連載では「探究」のための各種ツールとその活用方法を紹介していきます。連載「探究」のためのツールを手に入れる第2回は、さまざまな画像検索ツールを取り上げます。

 検索というと、まずは単語や言葉での検索が思い浮かびます。検索エンジンGoogleで検索することを「ググる」と動詞化することも、そう珍しいことではなくなりました。2019年に出版された三省堂の『現代新国語辞典(第6版)』には追加された新語約1,000語の中に「ググる」が採用されています。最近では、比較的簡単なものであれば、文章でも検索できるようになってきています。例えば「池袋にあるうなぎの聖地」などと検索すると、有名な鰻店が見つかります。

 何か探したいとき、検索したい時に適切な言葉が思い浮かべば良いですが、いつもそうだとは限りません。言葉では説明しづらいもの、そもそも名前を知らなかったり、思い出せなかったりして言葉ではうまく検索できない場合もあるでしょう。言葉では説明が難しくても画像や写真、または実物が手元にあり、その詳細を知りたい場合、「画像」や「写真」を検索対象として情報を探すことができます。目的や用途によって適切なツールは異なりますが、いくつかそれらのツールを紹介しましょう。

Google画像検索

 Googleで何かを検索する場合「池袋 うなぎ 絶品」などと複数のキーワードで検索するのが一般的です。言葉で検索する際は、できるだけ単語の数を多く指定して検索するのが目的の情報に素早く達するコツです。「うなぎ」の例でも単に「うなぎ」で検索するよりも「池袋 うなぎ」、さらに「池袋 うなぎ 絶品」や「池袋 うなぎ 安い」と検索する方が目的の情報に素早くたどり着けることがわかるでしょう。

 さらに手元にある画像や、写真に写っているもの、SNS等からコピーした画像ファイルなどを検索対象としてネット上にある類似の画像を探し出すことができます。

www.google.com の右上にある「画像」を選択
検索入力枠の「カメラ」アイコンを選択
検索対象の画像を指定

 Google画像検索では、手元にある画像がネット上のどこに掲載されていたのか?似たような画像は何なのか?画像に写っているもの(商品、風景、建築物、人物等々)は何なのかを平易に調べることができます。

ハナノナによる花の写真の検索

 千葉葉工業大学人工知能・ソフトウェア技術研究センターが開発した無料アプリ「ハナノナ」では、大量の花の写真を機械学習した人工知能を活用し、写真から高い精度で「花の名」を調べることができます。

近所で冬に見かけた花。娘に花の名を聞かれましたが、答えることができませんでした。
「ハナノナ」アプリを使うと98%の確率で「ランタナ」であることが分かりました。

 こういったツールの活用により、普段は見過ごしてきたこと、わからずに放っておいたことに対する興味や知識、探究への興味を広げられることが実感できます。

画像共有SNS Pinterestの物体を指定した検索

 気に入った画像を壁にピン留めするような感覚でコレクションできる画像共有SNSのPinterestでは、写真の中に写っている物を検索対象として、情報を探し出すことができます。

“rikkyo” で検索して見つかったモリス館の「窓」を指定して検索。
類似の建築物、類似の窓を見つけ出すことができました。

Googleアプリ、Googleレンズ、Googleフォトによる画像読み取り

 スマートフォンを活用すると、さらに画像検索の幅は広がります。Googleが提供している無料アプリ、Googleアプリ(iOS/Android)、Googleレンズ(Android)、Googleフォト(iOS/Android) を活用すると、写真に写っているものを検索対象として情報を探し出すことができます。

Googleアプリの画像検索機能を利用。食べかけのガムのパッケージを撮影。
ガムのパッケージから正確な製品名を見つけることができました。

 過去に撮影した写真などの場合も「Googleフォト」アプリで画像検索することができます。ここで紹介した三つのアプリに搭載されている画像検索の機能は「Googleレンズ」と呼ばれ、利用シーンや使い勝手は異なりますが、機能的、性能的には同じものです。

 「Googleレンズ」には、手書きの文字や本などの印刷物から文字を読み取ってくれる機能や、自動翻訳の機能、数式を読み取ってくれる上にその答えまで分かる宿題機能、食事の写真からレシピを検索する機能など、単なる画像検索からさらに一歩進んだ検索が可能です。日本語が読めないネパール出身の店員が勤めるカレー店で、日本製エアコンのリモコンに書かれた文字をネパール語に翻訳するために「Googleレンズ」を使ったところ、その未来的な仕組みに驚いていました。

新聞の写真を調べる

 New York Timesでは、Googleと協力し、過去の報道写真をデジタルアーカイブするプロジェクトが進められています(参照:「写真裏面の情報も保存 ―― New York Times が所蔵する数百万枚のアーカイブ写真を Google Cloud でデジタル化」)。ここで重要なのは、写真そのものデジタル化も大切ですが、写真の裏面に書かれたメモ、いつの新聞に掲載されたのかを示すスタンプなどを一緒にデジタルアーカイブすることで検索性や再利用性を高める工夫がなされていることです。

 日本の新聞社も、次のような報道写真のデジタルアーカイブを公表しはじめています。掲載写真の利用は有料ですが、時事ネタを探したり、昔の出来事を調べたりする際に役立つことでしょう。

 ここで紹介した検索ツールの他に、形状をスケッチしたら検索できる仕組みや、似顔絵を描いたら似た人や、漫画を検索する仕組みなどが研究開発されています。今後、ありとあらゆるものが探せるようになってくることでしょう。

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