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デジタルへの道① 幼児向けおもちゃで遊ぼう

青栁啓子です。甲州市立勝沼図書館の子ども読書クラブ・カムカムクラブの活動を紹介しながら、「遊びと探究の間」をテーマに投稿しています。今回は、本の話をお休みして、電子おもちゃのお話です。

カムカムクラブの長年の懸案と言えば、デジタルへの対応だった。デジタル・ネイティヴの子どもたちを前にして、本と手作り小道具を使い20年もアナログな活動を楽しく行ってきた。しかし、私たちもそろそろデジタル的なこと(情けないワードだが・・・)をやってみたい、いや、やらねばと思っていた時に、出会ったのがこのおもちゃ。アメリカの乳幼児おもちゃブランド、フィッシャープライスの「コード・A・ピラー」はつなげて遊ぶ自走式いもむしロボットである。虫の体のユニットそれぞれに進む方向が決まっており、組み合わせることで、虫の進路を自分で決められる楽しさがある。2019年に図書館で購入した。

 このころから児童書にも「プログラミング」という言葉をよく見るようになり、翌年から小学生の新学習指導要領にも「プログラミング思考」という文言が登場した。文部科学省によると、プログラミング的思考とは「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」(注1)ということだ。

2019年6月の活動

 おもちゃ自体は、対象年齢3歳からということで、小学生には幼すぎるのではないかと危惧したが、グループで協力してコースをクリアするという課題を設けると、子どもたちは夢中になって遊んだ。部屋の中で、スタートラインを決めて、画用紙で作った草を置いて、コースを作り、競争したのだ。行けー!と応援する子ども、無事にゴールへ行けるようにお祈りする子ども・・・それぞれの形で盛り上がった。3度目にクリアできると、次には自分たちでコースを作って走らせるという遊びに発展した。

2022年11月の活動

 新しいおもちゃではないが、プログラミング気分で気軽に遊べるという点でおすすめグッズである。しかし、使ってわかった難点もあった。スイッチを入れるとかなりの音♪が鳴るという点だ。これは図書館にはつらい・・・購入前はオープンな児童コーナーで使用しようと目論んでいたが、それは厳しいということで、別室で行う人気プログラムとなった。気づけば、和室でわいわいと昔の遊びをしているような不思議な感覚がした。おもちゃは変わっても、遊びの本質はきっとかわらないのだろう。これからも、子どもたちが主体的になれる遊びを軸にプログラムを作っていきたい、とそんなことを考えさせられる活動となった。


(注1)文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第三版)」同省,2020.2(2023-10-11閲覧).この手引きのp. 9などを参照。もともとは小学校段階における論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成とプログラミング教育に関する有識者会議で示された考え方。

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