探し方の探し方
安藤幸央です。本連載では「探究」のための各種ツールとその活用方法を紹介していきます。
連載第5回目は、情報の探し方を探す方法、すぐには見つからない事柄の探し方を指南します。
適材適所、適切なツールを使い分ける
みなさんも何か調べごとをするとき、自分なりのツールの活用や手法を持っていると思います。例えば、図書館や書店で、本を調べたり、家族や友人など周りの詳しそうな人に聞いてみたり、インターネット検索やSNSを活用して情報を集めたり。誰に聞いたらよいかわからない時などは、「緩募(急がないけど、情報を募集しているという意味)」とSNSに投稿し、広く情報を求めるといった探し方も有効です。
インターネット検索といえばGoogle検索やYahoo!検索が一般的です。たとえば天気を調べたい時、専用の天気アプリを使うよりも慣れているGoogle検索で調べるのが手軽な場合もあります。
用途別にSNS検索をうまく使い分けている人もいます。地震や停電があった時や、最新の話題を知りたい時、お気に入りのアーティストの情報はTwitterで検索、おしゃれなカフェや、レストラン、ファッション関連情報を知りたい時はInstagramでショップを検索、料理や道具の使い方、何かのやり方やコツであればYouTubeで動画を検索することが多いでしょう。
Twitter, Instagram, YouTube とも、ハッシュタグと呼ばれる「#」マークをつけて分類することで、お気に入りの情報を素早く見つけることができます。それに加えて検索による情報入手は信頼性や正確度も重要です。ちなみに今ではカテゴリ分類、キーワードによる分類の定番となっているハッシュタグ「#」は、Twitterの利用者が2007年に開催されたBasecampというイベントを盛り上げるために「#」をつけて投稿しよう!と呼びかけたのがきっかけと言われています。ハッシュタグの「#(ナンバー)」は音楽や電話ボタンにある「♯(シャープ)」とは異なります。
◆国立国会図書館 Webサービス一覧
● リサーチ・ナビ:調べ物に役立つ情報
● 国立国会図書館デジタルコレクション:国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧
● インターネット資料収集保存事業:日本国内のウェブサイトを定期的に収集して保存するウェブアーカイブ
とくにリサーチ・ナビでは、テーマから調べる、資料の種類から調べると、切り口を変えて探すことができます。「二次利用がしやすいデジタルアーカイブ(美術館)」、「マンガについて調べる」、「ポスターを探す」といった具体的なテーマごとのリンク集が充実しており、単なるキーワード検索では見つけられない情報にたどり着くことができるでしょう。
特定地域の統計情報や歴史などを調べる場合は、その地域の公共図書館の方が資料が充実している場合もあります。そういったニーズにはパスファインダーリンク集が便利です。
◆生活や実務に役立つ高精度計算サイト ke!san
ke!san(けいさん)というサイトでは、生活にまつわる様々な数字や計算方法を提供しています。電卓を販売しているカシオ計算機が運営しているサイトです。
白熱灯からLED電球に変更した際の節約できる金額の計算や、自動車通勤から自転車通勤に切り替えた場合の節約できる金額、カメラのフラッシュで綺麗に撮影できる距離の計算、厄年の計算など、ありとあらゆる「計算」にまつわる情報が集約されています。
◆統計局ホームページ
総務省統計局が提供している統計にまつわる各種情報を発信しているWebサイトです。2022年7月1日時点で、日本の人口は1億2484万人であること、日本の企業数は386万であることなど、刻々と変化する数字を最新の統計情報から知ることができます。
さらに、キッズすたっとという小学生、中学生向けに用意された統計情報検索サイトも便利に使えます。優しい口調、ふりがなつきの表示ですが、内容は大変充実しています。大人が平易に使うにも便利で、本格的な情報が得られます。
◆レファレンス協同データベース
探している事柄やテーマがあいまいで、どうやって探したら良いのか、何を調べたら良いのか分からない時に頼れるのは、全国の図書館に寄せられた質問とその回答、参照文献をまとめた「レファレンス協同データベース」です。
例えば「サンタクロース」のキーワードで検索すれば、なぜ靴下にプレゼントを入れるのか、赤い衣装を着ている理由は、女性のサンタは居ないのか?そもそもサンタクロースの起源はなんなのか?と、大人でもすぐには答えられないような問いに対して、納得感のある回答がまとめられています。
その他「江戸時代の酒税はどれくらい?」「大正時代の池袋駅周辺の土地価格が知りたい」といった探すのが難しい設問にも回答が寄せられています。また参照資料や、文献、ネット上の情報の探し方なども記載されているため、単に情報を得るということだけでなく、探し方そのものを理解し、自分でも探せるようになるのが良いところです。
また、国立国会図書館レファ協公式Twitterに頻繁に投稿される豆知識もおすすめです。「れはっち」と呼ばれるイメージキャラクターがレファレンスに掲載されている回答をピックアップして日々多数紹介してくれます。
「れはっち」のツイートを読んでいるだけで博識になったような気分になれることでしょう。
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